有償ストックオプションとは(2/2)
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ストックオプションの税制適格要件を満たすことができないオーナー株主が、権利行使時の給与課税を避けて、実質的な課税繰り延べメリット+累進税率課税回避メリットを得るために、”有償ストックオプション”を発行するケースがある点は前回触れました。
そもそも、一般的な”無償ストックオプション”も、今回説明する”有償ストックオプション”も、税務上は同じ“新株予約権”として定義されており、同じ”株式”の仲間です。(措法第37条の10 第2項 株式等の定義 →株主となる権利、株式の割当てを受ける権利、新株予約権及び新株予約権の割当てを受ける権利を含む。)
有償ストックオプションがなぜ権利行使時に課税されないのか。。これは条文には直接明記されてません。所得税法施行令第84条第2項をみると、「その新株予約権を引き受ける者に特に有利な条件/金額で、又は役務提供等の対価として発行された新株予約権」を与えられた場合には、その権利行使により取得した株式のその行使日における価額を”経済的利益”として所得算定の基礎にするとされてます。(権利行使価格等は控除)
従い、有利な金額や条件、又は役務提供の対価として付与されない新株予約権は、権利行使時には経済的利益を認識しなくても良い、という裏読みになります。
ここで有償ストックオプションとしての税務メリットを受けるために、幾つかのポイントが出てきます。
✔有利な金額でストックオプションが付与されていないこと →ストックオプションを、ブラックショールズモデル等で評価し、適正な金額で買い取る必要があります。有利な金額で買い取ると、有償ストックオプションの税制上の恩恵を受けることができません。
✔役務提供の対価として付与されないこと →投資家の立場でいることが必要ですね。従業員に対して付与するときには特に注意が必要です。
以上、長々と説明しまたが、ご参考まで!
。
所得税法施行令第84条
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