インボイス制度の問題点(水曜勉強会)
投稿日:
今日の勉強会の講師は佐々木さん。5年後(2023年10月1日)から施行されるインボイス制度についての問題点を解説してもらいました。
現在の制度の問題点は、消費税の免税事業者であっても、顧客に消費税8%を上乗せして請求することができ、しかもその8%を納付しなくても良いということになっている点です。顧客側は、支払った8%については自社の消費税を納付する際に控除対象としてしまいますので、この8%分は丸々国が損をしてしまうことになります。
インボイス制度の導入後は、消費税の免税事業者は、顧客に消費税8%を上乗せして請求することはできません。顧客も8%分を支払う必要がありませんので、自社の消費税を納付する際に控除対象にもできません。消費税の控除対象とできるのは、相手から送られてきた請求書(インボイス)に8%の記載があるときだけなので、今後は自社で消費税の課税/非課税取引の判定をする必要が無くなるので、消費税の申告も簡単になります。
問題は、消費税の免税事業者。物を仕入れる際は、受領したインボイスに従い8%を上乗せした対価を支払いますが、今後は、顧客に請求する際には、消費税を請求できないため(これまでは消費税相当分も請求できていた/しかも納税義務無し)、利益を出すのが難しくなります。
免税事業者となる要件は未だ明らかになってませんが、ここら辺は対応を考えなければなりません。
関連記事
-
10月開始のインボイス制度 音楽印税に波紋 JASRACの減額通知に翻弄される作曲家(ニュース記事を解説)
2023.10.1 産経新聞 これまではJASRACから印税権者に音楽使用料を分 …
-
米国LPSの法人認定について(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は山本会計士。米国のリミテッドパートナーシップが、日本で法人認 …
-
香港出張 ”100万ドルの夜景” の由来
今日まで、香港での会社を設立されるお客様のサポートをしてました。 香港といえば1 …
-
インボイス制度 8%軽減税率の取引がない場合の記載方法
2023年10月1日から施行されるインボイス制度 ほぼ全ての法人が適格事業者とな …
-
所得格差
国税庁発表によると、所得金額1億円以上の納税者が2万人を超えたそうです。5年前と …
-
税金の納付が期限内に間に合わなかった場合の延滞税の率は?
税金の支払いが遅れた場合には延滞税がかかりますが、その率は以下のようになってます …
-
引取りに係る消費税(輸入消費税)
物品を海外から輸入する場合、引き取った物品に対して、引取りに係る消費税か課されま …
-
金銭貸付の際の契約 極度額を設定して印紙税を節税
2億円を貸し付ける際に、2億円の金銭消費貸借契約書を締結したら10万円の印紙 …
- PREV
- 海外中古不動産を利用した節税
- NEXT
- 相続に関する民法改正(水曜勉強会)