アルテスタ税理士法人

アルテスタ税理士法人は、INAAグループの日本代表事務所です。

国内法人税務、相続税務から、外国法人の日本進出まサポートまで総合的にサポート

*

取締役会を一切開催しないことは可能か?

投稿日: 

【Q】当社は取締役会設置会社ですが、社外取締役、社内取締役が、国内外に分散しているので、すべて電子メールで取締役会決議を行い、実際に集まって議論を行うような取締役会は一切開催しないことにしたいと考えています。このようなことは可能ですか?

【A】 取締役会設置会社が取締役会を一切開催しないということは不可能です

 

【解説】確かに、定款の定めがあり、かつ取締役全員の同意があり、監査役も異議がなければ取締役会の書面決議が可能ですので、全ての決議事項を書面決議にすれば、結果的に取締役会を一切開催しなくてもよいですよね?とも思えます。

しかし、取締役会の職務は、業務執行の決定だけではありません。取締役の職務の執行の監督及び代表取締役の選定/解職もその職務です。取締役の職務の執行を監督するためには、取締役会は、取締役や監査役から重要事項について報告を受ける必要があります。(会社法365条2項、382条、406条等)

さらには、取締役や監査役等が、取締役(監査役設置会社にあっては取締役及び監査役)の全員に対して、取締役会に報告すべき事項を通知したときは、その事項を取締役会に報告しなくてもよいので(会社法372条1項)、やはりその場合には報告を受けるための取締役会を開催する必要はなくなり、結果的に取締役会を一切開催しないのと同じになることがあるように思えます。

しかし、会社法363条2項においては、代表取締役、及び取締役会の決議によって業務執行取締役に選定された取締役は、3ヶ月に1回以上、自己の職務の執行状況を取締役会に報告しなければならないとされています。また、この代表取締役等の定例報告は、取締役会への報告の省略を認めている会社法372条1項の適用が除外されています(会社法372条2項)。

したがって、少なくとも3ヶ月に1回は、実際に取締役会を開催して代表取締役等から、その職務の執行状況の報告を受ける必要がありますから、取締役会設置会社が取締役会を一切開催しないということは不可能となります

外国人の税務

 - ブログ

  関連記事

外国人の税務
スイカチャージ、パスモチャージの利用明細

5000円をスイカチャージして、全額交通費で経費計上。実際にその方は電車には乗ら …

外国法人(非居住者)に対して支払う著作権の使用料

外国法人に著作権の使用料を支払う場合に、その支払時に源泉所得税を徴収すべきか否か …

組織再編税制 行為計算否認に関する最高裁判決(水曜勉強会)

今日の講師は岩里さんです。Yahoo事件の判決について解説してくれました。税務上 …

消費税の課税事業者となるには

消費税の免税事業者が、消費税の課税売上よりも課税仕入が多くなることにより消費税の …

2020年に中小企業に予想される逆風

先日のブログで2019年の企業倒産件数が前年比で増加してた件に触れましたが(ht …

日本法人の役員の外国税額控除

日本法人の役員A(日本居住者)が、米国に出張しましたが、出張日数の関係で米国で所 …

会社設立後の経理・税務調査
税法上の中小企業の定義 ~中小企業に認められる優遇措置~

法人課税には、中小企業に税制上の優遇措置が設けられてます。期末資本金が1億円以下 …

非常事態宣言 緊急経済対策が発表されました

■雇用調整助成金 緊急対応期間(令和2年4月1日~6月 30 日まで)中、助成率 …

PAGE TOP