10年無申告は重加算の対象になるか(水曜勉強会)
投稿日:
今日の勉強会の講師は榊原さん。直近の裁判事例から、10年以上無申告であった法人に対する税務調査事例と、どのような場合に重加算の対象となるかを開設してもらいました。

会社Aは、10年前まで法人税の確定申告書を提出してましたが、その後10年以上もの間、確定申告書を提出してませんでした。その後税務調査が入りますが、通常無申告だった場合には、ペナルティーがとして”無申告加算税”が課されますが、今回税務当局は、会社Aが故意に無申告を貫いたということで、さらに重いペナルティーである”重加算税”を課すことになります。
しかし、国税不服審判所は、税務署の判断を是正、重加算税は適当ではないという判断を行いました。
そもそも重加算税は、「隠蔽又は仮装」に該当する場合に課されます。この10年間は、結果的に所得を税務当局に公開しなかった、という意味では隠蔽に該当しそうなのですが、これは隠蔽には該当しないようです。
会社Aは、この10年間、複数の税理士に税務申告書の作成を依頼しましたが、断られたようでしたので、申告する意思はあったようです。この場合は、漫然と無申告を放置したとはいえないため、重加算の対象となる「隠蔽又は仮装」とは判断されないとのことです。
その他のトピック
■持続化給付金の収益計上時期→入金日ではなく、決定通知日
■地域共通クーポンを使った場合でも、クーポン適用前の費用総額について仕入税額控除適用可。クーポンによる割引額は、雑収入として不課税売上。
関連記事
-
-
相続税の調査は、どれくらいの確率で行われるのか
平成26年までの統計だと、相続の発生件数は1年間で約130万件(厚生労働省統計情 …
-
-
資本金1000万円未満でも設立初年度から消費税の納税義務者に?(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は佐々木さんです。消費税法上の、”特定新規設立法人” について …
-
-
海外中古不動産を利用した節税を問題視(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は私が担当しました。マイナンバーの記載省略の制度、タックスヘイ …
-
-
会計事務所の中で最も多く利用されている会計ソフトは?
日本税理士会連合会で、税理士実態調査 が実施されました。http://www.n …
-
-
役員退職金 平均功績倍率1.06 !? Jファーム事件(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は中野さん。人数を制限して、リモートで勉強会開催です。今日は、 …
-
-
賃上げ・設備投資税制(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は中野さんです。平成30年度税制改正で、現行の所得拡大促進税制 …
-
-
子会社配当の源泉で多額の還付加算金が発生?(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は岩里さん。子会社配当により、結果的に多額の還付加算金を収受で …
-
-
非永住者⇒海外上場株式が課税となります!
2017年分以後の所得税について、非永住者の課税所得の範囲が、国外源泉所得以外の …