海外の親会社の資本金 ”Additional Paid in Capital” ”Capital Surplus” はどうカウントする?
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100%親会社の資本金が5億円以上である場合には、日本で税制上の優遇措置が無くなりますので、親会社の資本金を確認することはよくあると思います。ここで、親会社が海外法人である場合は要注意です。直訳で、How much is your 100% parent company’s capital ? ” とか聞いてしまうと、Capital の額しか教えてもらえません。
後日、親会社の決算書を見てびっくり。Capital は 100万円なのに、Additional Paid in Capital が5億円とかいうこともあります。このAdditional Paid in Capital、直訳すると株式払込剰余金となるので資本金には該当しないように聞こえますが、ここは要注意。
税法では、”直訳された単語”で判断するのではなく、その取引の実態を把握し、それが資本金に近いか、資本準備金に近いかを判断します。Additional Paid in Capitalですが、たいていの場合、増資の際に、額面を超えて払い込んだ部分を言いますが、現行の日本の会社法では、額面制度が廃止されており、株主から払い込まれたものは原則資本金、1/2制限はあるものの、会社が”資本準備金”と宣言したものが資本準備金となると考えます。ケースバイケースですが、海外親法人で払いこまれた資本金は、額面を超えようが、超えまいが、払い込まれたものは全額、Additional Paid in Capital も含めて全て資本金と考えたほうが良いようにも思います。
当税理士法人では、資本準備金というのは、文字通り”資本準備金”と決算書で宣言したものに限ると考えておりまして、日本特有の特殊な勘定科目で、海外には存在しない勘定科目と考えるようにしております。
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