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非上場会社の株価評価(水曜勉強会)

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今日の勉強会の講師は岩里さん。同族オーナーが保有している自社株式等の、非上場株式の評価方法の改正について解説してもらいました。

2016-10-12

「取引相場のない株式」の相続税評価額の算定には原則、「純資産価額方式」、「類似業種比準価額方式」があります。このうち、類似業種比準価額方式は評価対象の会社と業種が類似する上場会社の「株価」とを基準に評価する方法です。

この評価方法、一般的には純資産価額方式よりも低くなるため、節税対策上活用する機会も多いのですが、最近の上場株の高騰に伴い、評価結果が逆に高くなることもでてきてしまいました。

上場株の株価が浄上昇しても、同族オーナー会社の財務状況は改善される訳ではありません。法人に関しても所得格差が生じており、上場会社が業績を改善しても中小企業の業績は改善されにくい経済環境である点が税負担の公平性を損なう結果となってます。

見直しが検討されているのは比較対象となる上場会社の株価や比準要素のあり方。見直し時期等は未定ですが、パブリックコメントを行う予定だそうです。

具体体的な見直し内容は検討中ですが、中小企業庁が開催した事業承継に関する検討会では主に以下の声が挙がっているそうです。

●「第4回 事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会議事要旨」を一部抜粋

類似業種比準価額方式の見直しに関する意見
・『海外展開をしている上場会社と国内市場をメインとする中小企業との違いを考慮して見直すことが望ましい。』

・『株価の急激な変動を考慮して,類似業種の株価について過去の平均値を採用するなどの激変緩和措置をとることが望ましい。』

・『比準要素の比準割合で,利益を3倍としている点について,収益を上げる企業の株価がより上がる結果となっていることや,近年の景気動向を踏まえた見直しや,選択制の可能性も含めて議論をしていくことが望ましい。』

純資産価額方式などの見直しに関する意見
・『退職給付引当金等の負債性引当金等の取扱いについて検討することが望ましい。』

・『議決権を有する株式と議決権を有しない株式の評価方法は区別することが望ましい。』

・『同族関係者に含まれる親族の範囲(配偶者,6親等内の血族,3親等内の姻族)については,民法においても広すぎる概念が使われており見直すことが望ましい。』

・『純資産価額方式では,いわば残余財産分配請求権の価値(清算価値)で評価されているものと考えられる。しかし,株式には3つの権利(議決権,配当受益権,残余財産分配請求権)があり,事業承継に必要なのは議決権であるから,事業承継時には議決権の価値で評価するといった見直しも検討すべきではないか。』

 

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