タックスヘイブン税制に関する裁判事例(水曜勉強会)
投稿日:
今日の勉強会の講師は佐々木さん。タックスヘイブン税制に関する裁判事例を解説してもらいました。

低税率国に外国子会社を保有する場合には、タックスヘイブン対策税制により、その子会社に留保した利益が日本で課税されてしまいます。ただし、その適用除外要件として次の4つの要件(①事業基準、②実体基準、③管理支配基準、④非関連者基準・所在地国基準)が定められており、対象となる外国子会社が、これらの”すべてを満たす”場合には、タックスヘイブン対策税制の適用はありません。※適税制改正により、”適用除外要件”は、”経済活動基準”へと名称変更となります。
この4要件の、”④非関連者基準・所在地国基準”ですが、例えばその外国子会社が卸売業である場合には非関連者基準、製造業である場合には所在地国基準が適用されることになってますので、その業種がどちらに区分されるのかも比較的重要となります。
今回の裁判では、香港で卸売業を営む外国子会社が、卸売業として非関連者基準(売上/仕入のいずれかが50%以上非関連者との取引であること)をクリアしていたものの、その商材の製造について、製造委託先である中国企業に対して、材料代や人件費その他のコスト負担や、在庫リスクを全て負担していたため、事実上の”製造業”であるものとみなされてしまいました。その外国子会社は、製造業と区分されてしまうと、所在地国基準(主たる事業を本店所在地国で行ってること)をクリアしなくなり、タックスヘイブン対策税制の対象となってしまったようです。
関連記事
-
-
退職金の打ち切り支給(水曜勉強会)
連休の合間です。休みを取っている社員も多く気合いも抜けますが、それでも勉強会はや …
-
-
租税滞納状況 税金の滞納そんなに多いの?(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は岩里さん。空き家譲渡特例、企業版ふるさと納税、国外転出課税、 …
-
-
マンチズバーガーシャック 旨い!
今日は、所得税の確定申告期限前の最後の金曜日。今夜も皆さんに残業して頂いてもらっ …
-
-
事業所税 (水曜勉強会)
今日の水曜勉強会の講師は、中野さん。3月決算法人対応の忙しい中、「外れ馬券税制」 …
-
-
高額特定資産の特例と非課税仕入れ(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は佐々木さんでした。1000万円以上の不動産を購入した場合の、 …
-
-
外国法人の日本支店 契約書は必要
税制改正により、平成28年4月以降は、外国法人の日本支店は、支店というより、むし …
-
-
お亡くなりになった方が居住していた土地の相続 (小規模宅地の評価減 居住用宅地)
お亡くなりになった方が居住していた土地を相続する場合には、相続税評価額の減額制度 …
-
-
インド/アフリカ
INAAのAsiaAfricaフォーラムにて。 日本の将来を考えると、インドとア …
- PREV
- 一般社団法人を悪用した相続税にメス
- NEXT
- 税務上の「中小法人等」と「中小企業者等」の違い
