取締役会を一切開催しないことは可能か?
投稿日:
【Q】当社は取締役会設置会社ですが、社外取締役、社内取締役が、国内外に分散しているので、すべて電子メールで取締役会決議を行い、実際に集まって議論を行うような取締役会は一切開催しないことにしたいと考えています。このようなことは可能ですか?
【A】 取締役会設置会社が取締役会を一切開催しないということは不可能です
【解説】確かに、定款の定めがあり、かつ取締役全員の同意があり、監査役も異議がなければ取締役会の書面決議が可能ですので、全ての決議事項を書面決議にすれば、結果的に取締役会を一切開催しなくてもよいですよね?とも思えます。
しかし、取締役会の職務は、業務執行の決定だけではありません。取締役の職務の執行の監督及び代表取締役の選定/解職もその職務です。取締役の職務の執行を監督するためには、取締役会は、取締役や監査役から重要事項について報告を受ける必要があります。(会社法365条2項、382条、406条等)
さらには、取締役や監査役等が、取締役(監査役設置会社にあっては取締役及び監査役)の全員に対して、取締役会に報告すべき事項を通知したときは、その事項を取締役会に報告しなくてもよいので(会社法372条1項)、やはりその場合には報告を受けるための取締役会を開催する必要はなくなり、結果的に取締役会を一切開催しないのと同じになることがあるように思えます。
しかし、会社法363条2項においては、代表取締役、及び取締役会の決議によって業務執行取締役に選定された取締役は、3ヶ月に1回以上、自己の職務の執行状況を取締役会に報告しなければならないとされています。また、この代表取締役等の定例報告は、取締役会への報告の省略を認めている会社法372条1項の適用が除外されています(会社法372条2項)。
したがって、少なくとも3ヶ月に1回は、実際に取締役会を開催して代表取締役等から、その職務の執行状況の報告を受ける必要がありますから、取締役会設置会社が取締役会を一切開催しないということは不可能となります

関連記事
-
-
1月27日 日米相続セミナー Torance/Lighthouse セミナールームにて
ご参加人数も60人を超えました。ご興味のある方は、お早目にお声がけください!
-
-
役員報酬。経済的利益の額も株主総会での決議が必要なのか? (水曜勉強会)
今年最後の勉強会の講師は中野さん。役員に対する定期同額給与と、経済的利益の関係に …
-
-
インボイス制度 8%軽減税率の取引がない場合の記載方法
2023年10月1日から施行されるインボイス制度 ほぼ全ての法人が適格事業者とな …
-
-
INAA年次総会
アルテスタは、国際会計事務所ネットワーク”INAA” https:/ …
-
-
タックスヘイブン合算課税の改正2024年4月1日開始以後事業年度(水曜勉強会)
今日のオンライン勉強会の講師は田村さん。インボイス制度の改正点や、国際税務の改正 …
-
-
税理士試験 申込者数激減。。
会計事務所業界への人気の無さ、魅力の無さが一目で分かる推移表です。各事務所、人材 …
-
-
所得格差
国税庁発表によると、所得金額1億円以上の納税者が2万人を超えたそうです。5年前と …
-
-
非永住者に対する海外の上場株式の譲渡所得課税の範囲見直し/平成29年税制改正 【水曜勉強会】
今日の勉強会の講師は山本さん。平成29年度改正の非永住者の海外の上場株式の譲 …
- PREV
- 特別取締役とは?
- NEXT
- ICAPって知ってますか?
