事業承継税制が富裕層の租税回避に?
投稿日:

会合で出た主な意見。
- 報道によると、2024年度には贈与税・相続税あわせて1,296件に適用され、猶予額は計1,471億円に。
- 批判的な意見:格差の固定化を防ぐという相続税の役割からみて、全額猶予は行き過ぎではないか? 富裕層の税負担回避の手段になっている事例がある。
- 中小企業庁の説明:親族内承継で特例措置を使った企業は売上が伸びる傾向があり、制度と事業成長には一定の相関がある。
-
特例措置は2027年末で期限を迎え、その後の扱いは2026年10月時点で決まっていません。政府は租税特別措置全体の見直しを進めており、事業承継税制は年末の税制改正議論の焦点のひとつになるとみられています(NHK)。
特例の利用を考えている場合は、計画の提出期限(2027年9月30日)と実行期限(2027年12月31日)を前提に、早めにご相談ください。適用には「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(円滑化法)に基づく都道府県知事の認定が必要です(国税庁 事業承継税制特集)。
法人版事業承継税税制
- 後継者が非上場会社の株式を贈与・相続で取得したとき、その株式にかかる贈与税・相続税の納税を猶予し、後継者の死亡などで猶予税額を免除する制度。
特例措置と一般措置の違い
平成30年度改正で、10年間限定の特例措置が一般措置に加えて創設されました。同じ会社の株式には、どちらか一方しか使えません。
|
項目 |
特例措置 |
一般措置 |
|---|---|---|
|
事前の計画 |
特例承継計画の提出が必要(2027年9月30日まで |
不要 |
|
対象となる贈与・相続の期間 |
2018年1月1日〜2027年12月31日 |
期限なし |
|
対象株数 |
全株式 |
総株式数の最大3分の2 |
|
納税猶予割合 |
贈与・相続とも100% |
贈与100%、相続80% |
|
後継者 |
最大3人 |
1人 |
|
雇用確保要件 |
5年平均8割を下回っても、理由の報告で猶予継続 |
5年平均8割を維持できないと猶予打ち切り |
|
経営環境悪化時の免除 |
あり |
なし |
|
相続時精算課税 |
60歳以上から18歳以上の者(親族外も可) |
60歳以上から18歳以上の推定相続人・孫 |
主な適用要件
- 会社:上場会社、中小企業者でない会社、風俗営業会社、資産管理会社(一定のものを除く)のいずれでもないこと。
- 後継者(贈与):贈与時に代表権を持ち、18歳以上で、贈与直前に役員であること。後継者と親族などで議決権の50%超を持ち、後継者がその中で最多(複数後継者なら各10%以上)となること。
- 先代経営者:代表権を持っていたこと。親族などで議決権の50%超を持ち、後継者を除けば最多だったこと。贈与時には代表権を外れていること。
猶予が打ち切られる主な場合
|
事由 |
承継後5年以内 |
5年経過後 |
|---|---|---|
|
対象株式の一部を譲渡 |
猶予税額の全額を納付 |
譲渡部分のみ納付 |
|
後継者が代表権を失う |
全額を納付(重い障害などやむを得ない場合を除く) |
猶予継続 |
|
会社が資産管理会社に該当 |
全額を納付 |
全額を納付 |
|
雇用が承継時の8割を下回る |
報告で猶予継続(特例措置) |
猶予継続 |
納付が必要になると、事由の発生から2か月以内に猶予税額と利子税を納めます。利子税は原則年3.6%ですが、毎年の基準割合で軽減され、5年経過後の納付なら5年間分はゼロになります。
猶予税額が免除される主な場合
- 先代経営者(贈与者)または後継者が死亡したとき。先代が亡くなると、贈与株式は相続財産とみなされますが、要件を満たせば相続税の猶予に切り替えられます。
- 5年経過後に、次の後継者へ株式を贈与し、その後継者も制度を使うとき。
- 5年経過後に会社が破産したときや、特例措置で経営が悪化し株式を譲渡・解散したとき(差額を免除)。
関連記事
-
-
第29回 吉村会チャリティーゴルフ
元ジャイアンツの吉村さんが主催する、G7吉村会 チャリティーコンペに、今年も出席 …
-
-
中小企業者と中小法人等 中小企業者の定義改正①(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は岩里さん、30万円未満の固定資産の一括償却や、所得拡大促進税 …
-
-
日本に初めて野球を紹介したホーレス・ウィルソン
日本に初めて野球を紹介したホーレス・ウィルソンの功績を称える記念碑に行きました。 …
-
-
振替納税や還付口座に指定できない銀行
所得税の確定申告の時期が近づいてきました。納税については振替納税、還付については …
-
-
他社は交際費をいくらくらい支出している?
国税庁が平成28年3月25日に発表した法人企業の実態によると。。平成26年度の各 …
-
-
Representative Office (type of business entity)
Foreign companies looking to expand into …
-
-
税務上の「中小法人等」と「中小企業者等」の違い
中小企業に対する税制上の優遇措置は、「中小法人等」に適用されるものと、「中小企業 …
-
-
フィレンツェ
明日からのINAAのInterim Meetingの前に、フィレンツェに立ち寄り …
