組織再編税制 行為計算否認に関する最高裁判決(水曜勉強会)
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今日の講師は岩里さんです。Yahoo事件の判決について解説してくれました。税務上の繰越欠損金を有している子会社を吸収合併して、その繰越欠損金を引き継ごうとしましたが、その行為が”法人税の負担を不当に減少させる”として、最高裁判決で繰越欠損金の引継ぎが否認された事例です。
”法人税の負担を不当に減少させている” という条文の解釈は実務家にとっては非常に難しいのですが、最高裁はその解釈を、①実態とは乖離した形式を作り出すなど不自然なものかどうか、②税負担の減少以外に合理的な事業目的等があるか否か で判断する指針を示しました。
合併法人Y社がの社長が、被合併法人I社の副社長に就任した行為に対して、具体的には、
★一連の再編がごく短期間で行われたこと
★I社の副社長への就任が、事業上の目的やその必要性が具体的に協議された形跡がないこと
★I社の副社長の就任後の業務が、合併準備やその後の事業計画に関するものにとどまること
★I社の副社長は、代表権の無い非常勤であり、担当業務も無く役員報酬も受領していなかったこと
という事実から、I社の副社長への就任が、①実態とは乖離した不自然なものであり、②税負担の減少以外に合理的と思える事業目的等が無いと指摘しました。これまで、だいぶ議論の多かった条文の解釈でしたが、これで少し前に前進しました。
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