帰属主義 ~外国法人日本支店への課税に影響有り~ (水曜勉強会)
投稿日:
今日の勉強会は国際税務。平成28年4月1日以後開始する事業年度から、例えば、外国法人の日本支店 の課税対象所得のルールが変わる点をトピックにして勉強会を行いました。
平成28年4月1日以後開始事業年度から、国際課税原則は従来の「総合主義」から「帰属主義」へと改正されました。これにより、例えば外国法人の日本支店のように、日本国内に恒久的施設(=PE)を有する法人の課税対象所得が変わります。
これまでのルールでは、その所得が日本支店に帰属するか否かを問わず、その外国法人が日本国内源泉所得を有している場合には、その国内源泉所得についても、日本支店で申告しなければなりませんでした(=総合主義)。
改正されたルール(帰属主義)では、その日本支店に帰属する所得の全てを課税対象とすることに改められました。これまで課税対象とされていた、日本支店には関係の無い国内源泉所得には課税されず、逆に、これまで課税されていなかった、日本支店が稼得した国外源泉所得に対して日本で課税が行われます。
外国本店が、日本の顧客から収受するロイヤリティー収入や、利息収入が影響を受ける可能性があります。
<内部取引>
外国法人の本店と、日本支店との内部取引については、独立企業同士で同様の事実があったとした場合に取引される金額で損益を認識することになります。これにより、日本支店に帰属する所得の算定においては、移転価格税制が適用されることになります。
外国本店のリソースを使い、日本国内で売上を上げている日本支店の所得計算が影響を受ける可能性があります。
<日本支店への外国税額控除の創設>
また、外国法人の日本支店(=PE)が、本店所在地国以外の第三国で獲得したPE帰属所得に対する外国法人税にの二重課税調整のため外国税額控除制が創設されました。
関連記事
-
-
確定申告書の提出期限が4月16日に延長されます!
国税庁は27日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2019年分の所得税と贈 …
-
-
インボイス制度 結局今の請求書に何を追加で記載すればいいの?
2023年10月から開始するインボイス制度 現在発行している請求書の記載様式を一 …
-
-
米国市民権課税
米国籍の方の日本での確定申告をお手伝いすることが多いのですが、最近、同じく外国法 …
-
-
ストレスチェック
平成27年12月から、50人以上の労働者の事業所(常時雇用)は、労働者のメンタル …
-
-
外貨で海外の貸付用の固定資産を購入したら為替差益に課税されることがあるって知ってますか?
米ドル建で預け入れていた預金10万ドルを使って、ハワイの貸付用の不動産12万ドル …
-
-
スーパーで裏金3億円、元役員2人が架空計上 追徴課税
年商300億円の小売店なので従業員も数百人規模だったかもしれません。元役員は、こ …
-
-
新型コロナ対策 次亜塩素酸水
アルテスタでは、社内のウィルス消毒や、各社員携帯用のウィルス消毒液として、次亜塩 …
-
-
代表取締役への退職金は要注意(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は榊原さん。国会を通過した税制改正法案、分掌変更に関する判決等 …
- PREV
- お疲れ様です!
- NEXT
- 外国子会社から配当金を収受する場合