DD費用(財務調査費用)は損金処理できるか?
投稿日:
M&Aで、他社の株式を買収する際に、仲介会社に報酬を支払うことがあります。このM&A仲介費用は、株式の購入のために要した費用となりますので、株式の購入対価と併せて、BSに計上されます。損金処理はできません。
それでは、M&Aに関連して、弁護士事務所や会計事務所に法務や財務調査報酬(=DD費用)を支払った場合はどうなるでしょうか?DD費用は、従来からその税務処理方法につきガイドラインが無かったため、その損金性に迷うことも多かったのですが、平成22年の国税不服審判所の裁決で、これら費用は、株式購入のために要した費用である場合には、その株式の取得価額に含める(BSに計上)と公表されました。(平成22年2月8日付国税不服審判所福岡支部裁決:TAINS FO-2-500)
この裁決事例では、①取締役会で株式を取得する旨を決議しており、②会計事務所との財務調査の業務委託契約書において、その調査の目的が株式の買収についての意思決定の参考とするためであるとされていること(特定の有価証券を購入する意図の下で当該有価証券の購入に関連して支出される費用に該当すること)が事実認定の根拠となっておりました。
どの企業を買収するのかがまだ決まっていない段階で、複数の企業の中から買収先を選定するために行う財務調査費用であれば、取得価額に含めないで損金算入することができますが、買収先を決定しており、最終的に買収するのかどうか、あるいは買収価額をいくらにするのかという判断のために行われた財務調査のための費用は、取得価額に算入することとなります。
関連記事
-
-
タックスヘイブン対策税制の適用を除外させるための要件
シンガポール、香港、さらには2013~2015年に限ってタイ等の軽課税国に子会社 …
-
-
マンチズバーガーシャック 旨い!
今日は、所得税の確定申告期限前の最後の金曜日。今夜も皆さんに残業して頂いてもらっ …
-
-
日本に支店等を保有する外国法人/非居住者にサービス提供した場合(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は佐々木さんです。海外企業から売上をもらった場合の消費税処理の …
-
-
海外の親会社の資本金 ”Additional Paid in Capital” ”Capital Surplus” はどうカウントする?
100%親会社の資本金が5億円以上である場合には、日本で税制上の優遇措置が無くな …
-
-
二世帯住宅 小規模宅地の評価減の特例で新たな見解
先週の水曜勉強会でも取り上げていたのですが、小規模宅地の評価減の二世帯住宅への適 …
-
-
大型の税務調査が行われやすい時期
お盆明けの最初の火曜日が圧倒的です。 ひとむかし前は、お盆明けの月曜だったのです …
-
-
中小企業者の範囲の改正(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は水野さん。租税特別措置法上の中小企業者の範囲の改正について説 …
-
-
会社法改正(監査役の業務範囲の登記)
監査役は、通常、業務監査および会計監査の両方に責任を有してますが、監査役を設置す …
- PREV
- INAAアジア会議 @チェンナイにて
- NEXT
- タックスヘイブン税制

