アルテスタ税理士法人

アルテスタ税理士法人は、INAAグループの日本代表事務所です。

国内法人税務、相続税務から、外国法人の日本進出まサポートまで総合的にサポート

*

人的役務提供事業と租税条約の関係

投稿日: 

外国の法人から技術者が来日し、日本の法人で役務提供を行い、日本の法人がその業務の対価を支払った場合ですが、源泉徴収の対象となる可能性がある点をご存じでしょうか?

外国の法人にサービス対価を支払う場合、原則としては源泉所得税の徴収は必要ないのですが、その対価が著作権等の使用料だったり、人的役務の提供事業の対価だったりすると、源泉所得税の徴収義務が生じます。

この人的役務の提供事業ですが若干定義が分かりにくくて誤解されることが多いです。「人的役務の提供」なのだから芸能人も含まれるのかな?と思われるかもしれませんが、非居住者が営む「自己以外の者」の人的役務の提供を主たる内容とする事業と定義されてます。

つまり、来日した外国人芸能人が日本でTVに出演して出演料を得たとしても、それは「自己」の役務の提供なので人的役務の提供事業にはなりません。この場合は、「人的役務の提供事業」ではなく「報酬」になります。

さて、この人的役務の提供事業ですが、租税条約が締結されている国との間の取引であれば租税条約が適用されますが、条約上は、殆どのケースで、「産業上の利得」に含まれ、その外国法人が日本にPEを有していなければ、日本側で源泉徴収の必要はありません。その際には、所得税の源泉徴収の減免を受けるために、租税条約の届出書を提出します。https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joyaku/annai/1648_44.htm

少しややこしいのが、外国の法人へのサービスフィーの支払については、以下のような取扱いになります。

原則:源泉所得税の徴収は不要、租税条約の届出も不要 (そもそも国内法でも源泉徴収は不要であるため)

人的役務の提供事業であった場合:租税条約の届出書(人的役務)を提出し、源泉所得税の徴収の減免を申請 (国内法では源泉徴収が必要となるため、租税条約の届出により免除の適用を受ける必要がある) 

著作権等の使用料であった場合:租税条約の届出書(著作権使用料)を提出し、源泉所得税の徴収の減免を申請 (国内法では源泉徴収が必要となるため、租税条約の届出により免除の適用を受ける必要がある)

 

外国法人の日本進出

 - ブログ

  関連記事

Large deck off of kitchen and dining room
海外で中古木造物件を購入して節税

例えばハワイで木造の賃貸物件を購入すると、日本での節税につながるというスキームを …

DD費用(財務調査費用)は損金処理できるか?

M&Aで、他社の株式を買収する際に、仲介会社に報酬を支払うことがあります …

10年任期の会社の役員重任登記忘れに注意

役員任期を10年とすることができるようになってから、10年が経過しました。 とい …

ランチ会

従業員の交流を図るために、2-3ヵ月おきに、ランチ会やってます。今日は焼肉!

配偶者控除見直し検討 自民税調会長が表明(新聞報道を解説)

配偶者控除の適用をうけることができなくなるから、年収103万円を超えての勤務はち …

マイナンバー対応のシステム改修費用は修繕費 (水曜勉強会)

今日の勉強会の講師は中野さん。マイナンバー対応のためのシステム改修費用の税務上の …

合法的に脱税できる職種 「牛農家」と「年商5000万円以下の開業医」

牛の農家は、牛1頭あたりの利益100万円までは非課税 → 事実上ほぼ課税無し。 …

外国人向けの日本国内旅行ツアー (水曜勉強会)

今日の勉強会の講師は中野さんでした。色々トピックはありましたが、ここでは消費税の …

PAGE TOP