役員退職金を利用した節税スキームの落とし穴 (水曜勉強会)
投稿日:
今日の勉強会の講師は、山本会計士です。若くして、既に銀行勤務経験や海外での会計事務所勤務経験を持つスーパー会計士です。今日は、退職金の優遇税制を利用した節税スキームが否認された国税審判所の裁決を解説してくれました。団塊の世代が会社の代表権を後継者に引き継ぐケースが多く見受けられているため、注目の裁決です。
Aさんは代表取締役を辞任、役員報酬も大幅に減額した上で、会社から退職金の支給を受けました。日本の退職金に対する課税は、世界でも類を見ない程優遇されており、退職金を活用する節税スキームも非常に多く見受けられるます。ただし今回は、Aさんは、代表退任後も、主力商品の製造管理に対する技術指導を行っていたり、銀行との融資の打合せに同席していたりしました。不服審判所は、この状況を、依然として”経営上主要な地位を占めている”と判断し、実質的には退職していないと認定したため、役員への退職金も”賞与”と認定され、退職金の全額につき損金算入を否認されるという非常に大きなダメージを受ける結果となりました。
Aは、退任後は経営判断を行う立場ではなかった様なのですが、オーナー会社の場合に限っては、経営判断を行うか否かだけでは無く、その者が法人にとって必要不可欠な業務を行っていたのか否か、、という点まで判断材料にしなければならないという、非常に厳しい解釈です。オーナー経営の会社の役員退職時に、退職金の優遇税制を活用するためには、くれぐれも用心してください。
関連記事
-
-
Non Dividend Distribution とは
米国の証券会社で資金を運用されている方の申告を請け負いますが、幾つか気を付けなけ …
-
-
外国法人の日本子会社 消費税の課税事業者選択の注意点
外国法人が日本にサービス会社を設立する場合、良く”課税事業者の選択届”を設立初年 …
-
-
なぜ香港移住したのに日本の居住者と認定されてしまったのか?
東証1部に上場する自動車部品関連メーカーのA会長が、東京国税局の税務調査を受け、 …
-
-
CRS (Common Reporting Standard)の導入による影響(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は山沢が担当しました。CRMの導入による実務への影響について、 …
-
-
非居住者の申告(準確定申告) 提出期限の盲点
非居住者には、①日本に1年以内の居所を有する個人と、②居所を有しない個人”がいま …
-
-
外国上場株式の譲渡損失 日本国内上場株式の譲渡益と相殺できるか?
2016年から、上場株式の譲渡損失は、上場株式の譲渡益からしか相殺することができ …
-
-
過大退職金に関する判決
泡盛「残波」を製造する比嘉酒造が、国税当局から、過大役員報酬と、過大役員退職金に …
-
-
輸出証明書の輸出者の名前が自社でなくても、輸出免税の適用は受けれる!
香港法人の日本子会社A社に税務調査が入りまして、日本子会社が香港に輸出してる物品 …
- PREV
- 水曜勉強会 2015年もスタート
- NEXT
- 新入社員歓迎会

