役員退職金を利用した節税スキームの落とし穴 (水曜勉強会)
投稿日:
今日の勉強会の講師は、山本会計士です。若くして、既に銀行勤務経験や海外での会計事務所勤務経験を持つスーパー会計士です。今日は、退職金の優遇税制を利用した節税スキームが否認された国税審判所の裁決を解説してくれました。団塊の世代が会社の代表権を後継者に引き継ぐケースが多く見受けられているため、注目の裁決です。
Aさんは代表取締役を辞任、役員報酬も大幅に減額した上で、会社から退職金の支給を受けました。日本の退職金に対する課税は、世界でも類を見ない程優遇されており、退職金を活用する節税スキームも非常に多く見受けられるます。ただし今回は、Aさんは、代表退任後も、主力商品の製造管理に対する技術指導を行っていたり、銀行との融資の打合せに同席していたりしました。不服審判所は、この状況を、依然として”経営上主要な地位を占めている”と判断し、実質的には退職していないと認定したため、役員への退職金も”賞与”と認定され、退職金の全額につき損金算入を否認されるという非常に大きなダメージを受ける結果となりました。
Aは、退任後は経営判断を行う立場ではなかった様なのですが、オーナー会社の場合に限っては、経営判断を行うか否かだけでは無く、その者が法人にとって必要不可欠な業務を行っていたのか否か、、という点まで判断材料にしなければならないという、非常に厳しい解釈です。オーナー経営の会社の役員退職時に、退職金の優遇税制を活用するためには、くれぐれも用心してください。
関連記事
-
-
同族会社の行為計算否認を巡る事件で国側敗訴(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は榊原さん。2019年6月27日の東京地裁の判決で、国側が敗訴 …
-
-
スポーツ選手の年俸 法人設立による節税
高額年俸を稼ぐプロスポーツ選手に対する課税が凄い話は前回説明しました。年俸2.2 …
-
-
日本からシンガポールへの渡航制限について
シンガポールでお世話になっているCPACの萱場先生から、日本からシンガポールへの …
-
-
所得拡大促進税制は適用要件を満たさなくても別表の添付を
実務上、良く適用される所得拡大促進税制ですが、平均給与等の計算は、対象者の選別 …
-
-
海外木造不動産を利用した節税スキームが使えなくなります(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は中野さん。令和2年度で予定されている税制改正について解説して …
-
-
税務調査 調査対象は3年?5年?
税務調査の調査対象は、基本的に3年で運用されてます。 ただ、ごく稀に、一旦3年で …
-
-
外国法人が国内不動産の賃貸収入を得る場合
外国法人が国内不動産の賃貸収入を収受する場合ですが、法人や個人事業主から賃料を収 …
-
-
取締役の任期 補欠や増員した場合の取り扱いは?
取締役の任期は、最短1年から最長10年とすることができるようになりましたが、取締 …
- PREV
- 水曜勉強会 2015年もスタート
- NEXT
- 新入社員歓迎会

