給与なのか、それともコンサルタント報酬なのか? (水曜勉強会)
投稿日:
先日行われた水曜勉強会で、会社から個人への支払いが、給与に該当するのか、事業報酬に該当するのかについて争われた過去の裁判事例を解説しました。個人にとっては、源泉所得税も控除されませんし、確定申告により色々な経費を費用計上できるので、給与ではなくて、事業報酬として支払ってもらいたいところではあります。では、給与と事業報酬の境目とは一体どこなのでしょうか。
現在、給与か事業報酬かで争われた裁判は、2件しか一般に公開されてません。
まずは、最高裁の昭和56年の判決。”使用者の指揮命令があること”、具体的には、使用者が空間的、時間的な拘束をしている場合には、給与所得。という解釈が行われましたので、しばらくはこの考え方が一般的でした。
しかし、最高裁の平成17年の判決で、解釈は一転。親会社から付与されたストックオプションを通じて得られた利益は、給与所得なのか一時所得なのか。。という裁判でした。確か、マイクロソフトだったような。。 ここから、その個人の活動が非独立的であってしまうと給与だ、という解釈が行われるようになり、それまでよりもより広い範囲で、給与所得認定が行われるようになりました。判例曰く、昭和56年のときには、ストックオプションは想定してなかったんですって。。。
個人事業的に活動している方は注意が必要ですね。
関連記事
-
-
居住者か非居住者か?(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は、岩里さん。内国法人のほか、シンガポール他の複数の海外法人の …
-
-
タックスヘイブン対策税制(新聞報道を解説)
昨年末ですが、サンリオが、タックスヘイブン対策税制により、追徴課税を受けました。 …
-
-
税務相談センター
税務署に、税務の質問をしようと電話すると、”電話相談センター” なるものに転送さ …
-
-
INAA会議
今回のINAAの世界会議は、上海で行われました。 上海は、10年前に来たことがあ …
-
-
Qualified invoice system
JP tax authority started new Consumption …
-
-
海外に出向している従業員の給与の一部親会社負担 その③
危険地手当に関しても、出向元法人の負担が認められる余地があることをご存知でしょう …
-
-
1099-INT Treasury Note
外国の1099を見るときに、1099-INTの区分も注意して下さい。外国の銀行の …
-
-
海外中古不動産を利用した節税を問題視(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は私が担当しました。マイナンバーの記載省略の制度、タックスヘイ …