アルテスタ税理士法人

アルテスタ税理士法人は、INAAグループの日本代表事務所です。

国内法人税務、相続税務から、外国法人の日本進出まサポートまで総合的にサポート

*

PE認定 (新聞報道を解説)

投稿日: 

昨日の勉強会で、PE認定に関する判決がトピックになりました。米国居住者が、米国で仕入れた自動車用品を通信販売で日本の顧客に販売していたケースですが、在庫を日本のアパートの一室に置いていたことが原因で、日本で課税された事例です。

2016-08-25-2

(事案)

東京高裁 平成28年1月28日判決 所得税決定処分等取消請求控訴事件…. 米国から輸入した自動車用品をインターネットを通じて専ら日本国内の顧客に販売する事業を営んでいた非居住者が,その事業の用に供していたアパート及び倉庫は,日米租税条約5条に規定する「恒久的施設」に該当し,本邦において所得税を納税すべき義務があるとされた。

(解説)

米国人居住者ですが、日本に恒久的施設(=PE)を置いていなければ、米国から日本の顧客に商品を販売しても日本で課税を受けることはありません。日本にPEが無ければ、事業の所得に関しては日本で課税を受けることは無いという基本原則に沿ってます。また、仮にそのPEが、補助的な機能しか有していない場合にも課税を受けることはありません。私見ですが、日本のアパートの一室に在庫を置いておく位では、その機能は”補助的”ですので、そのアパートの一室がPE(1号PE=日本事務所)に認定されることはありません。ただし、今回はこの在庫を日本に置くことにより、米国人居住者が日本で行う販売事業の付加価値を上げる結果となっていたのでしょう。在庫が日本にあれば、日本の顧客への配送日が早くなり、それにより他社と比べて競争力が高まり、商品の売り上げが伸びるという結果につながったのだと予想します。日本の倉庫が、その事業への付加価値を高めるようであれば、もはやその機能は補助的ではないという理由での課税だと思います。事務所PE認定には注意が必要です。

 

 

 - ブログ ,

  関連記事

時期外れの七五三

今頃、長男の七五三を済ませました。 本当は11月15日付近の七五三ウィークに済ま …

シンガポールでのクライアント訪問

アルテスタは海外から日本に進出する法人の会社設立から税務会計、給与計算、その他日 …

初心

昨夜、15年前にニューヨークでお世話になった方と食事しました。 筆者個人的な話し …

武田薬品工業 5年間で71億円の申告漏れ

製薬大手の武田薬品工業が、移転価格税制の適用を受け、5年間で約71億円の申告漏れ …

海外ネットワーク
海外の親会社の資本金 ”Additional Paid in Capital” ”Capital Surplus” はどうカウントする?

100%親会社の資本金が5億円以上である場合には、日本で税制上の優遇措置が無くな …

法人から個人へ名義変更した“低解約返戻金タイプの保険”に注意(水曜勉強会)

今日の勉強会ですが、皆3月決算で出払っており、、、、。何ともさびしいい勉強会でし …

違約金を支払った場合(水曜勉強会)

今日の勉強会の講師は中野さんです。消費税のインボイス制度、消費税軽減税率、相次相 …

東京都全域の飲食店に営業時間短縮要請へ

キャバクラ、ガールズバー、ホストクラブ、カラオケボックスは、再び自粛ですね。この …

PAGE TOP