米国LPSの法人認定について(水曜勉強会)
投稿日:
今日の勉強会の講師は山本会計士。米国のリミテッドパートナーシップが、日本で法人認定を受けた、平成28年12月22日の東京地裁判決について解説してもらいました。

米国ワシントン州法に基づいて設立された、不動産事業を営むリミテッド・パートナーシップ(以下LPS)の持分を取得していた原告が、その申告の際、そのLPSを日本の法律上任意組合に類似するものとして(=パススルー法人)、そのLPSで発生していた費用を、各持分に応じて、各自の申告上費用計上していたようです。ただし、東京地裁側の判断は、そのLPSは外国法人に該当するとし、パススルー性を否認しました。
以前から米国のLLCに関しては、米国でパススルー課税を選択していたとしても、日本の税法上は、パススルー法人とはみなさずに、通常の法人と考えて課税判断を行う実務が一般的に採られてきました。例えば、LLCは、それ自体が訴訟の対象となり、日本の法律上でいう株式会社/合同会社と何ら変わらないと考えることができるからです。
LPSに関しては、判断が難しいです。一見、日本の任意組合に類似しそうですが、そのLPS自体が訴訟対象となり得たり、法律上契約主体となりえるようであれば、やはり法人格があるとみなされる、という判断がでましたらので、今後の米国LPSへの課税判断は、LPS契約やその州法を読み、慎重に検討していかなければなりません。
関連記事
-
-
タックスヘイブン対策税制(新聞報道を解説)
昨年末ですが、サンリオが、タックスヘイブン対策税制により、追徴課税を受けました。 …
-
-
スイカチャージ、パスモチャージの利用明細
5000円をスイカチャージして、全額交通費で経費計上。実際にその方は電車には乗ら …
-
-
なぜパナマ文書があそこまで注目されたのか?BEPSプロジェクトとの関係(新聞報道を解説)
なぜパナマ文書があそこまで報道され、特にヨーロッパ中心に税務情報開示の透明化が一 …
-
-
配偶者の税額軽減と二次相続対策 (水曜勉強会)
今日の水曜勉強会の講師は苗代さん。相続における配偶者の税額軽減、二次相続対策等を …
-
-
外国法人の日本支店 契約書は必要
税制改正により、平成28年4月以降は、外国法人の日本支店は、支店というより、むし …
-
-
東京事務所ランチ忘年会
今年のランチ忘年会は、全聚徳(ぜんしゅとく)銀座店 全聚徳 は、北京ダックで …
-
-
海外赴任者が新型コロナ対策で一次帰国した場合(水曜オンライン勉強会)
今日の勉強会の講師は丹治さん 日本から海外に駐在し、非居住者として課税を受けてい …
-
-
ハワイ不動産 共有名義(ジョイントテナンシー)の注意点
夫婦でハワイの不動産を共有名義(ジョイントテナンシー)で保有している状況で、例え …
- PREV
- 高額特定資産の特例と非課税仕入れ(水曜勉強会)
- NEXT
- 人材ドラフトの評判?
