名義株の判定について (水曜勉強会)
投稿日:
本日の講師は佐々木さん。相続税の調査で指摘を受けやすい名義株の判定について、解説してもらいました。

原則として、株主名簿に記載されている方が株主となるのですが、”名義株”とは、株主としての権利を実質的に行使している方が、自分の名前とは異なる名前で株主名簿に名前を記載している株のことを指します。特に、相続税の調査では、名義上は相続人名義の株式であっても、生前に、実際の株主としての権利の運用を行っていたのが被相続人である場合には、その株式が”名義株”と認定され、被相続にの相続財産として課税を指摘されるケースがある。
名義株としての指摘を避けるためには、株式の取得時や保有時、配当金受領時等に、株式の実際の所有者が相続人であると証明できるか否かがポイントとなるようです。例えば,被相続人の妻名義の株式については、名義上は妻の株式となっていたとしても、それだけでは名義株でないことを証明することはできません。そこで、贈与税申告の事実の記録や、出資払込の証明となる書類の保存、配当金を受領している事実等の記録、議決権の行使等、実際に株式を管理・運用し、その権利を妻が行使していたことを証明することが必要になります。
一方で,株式の取得費用の支払者や配当金の受領者、領収書の署名が被相続人であるなど、実際の管理・運用等が被相続人によるものであると判断されれば、名義株として相続財産に加算すべきと指摘される恐れもあります。名義株に限らず、預貯金等の所有者については、名義だけで判断することはなく、管理・運用,原資となった金員の出捐者及び贈与の事実等を総合的に勘案して判断されるので、注意が必要です。
関連記事
-
-
香港
香港の投資家からの相談に乗るために香港に来ました。 で、香港でゴルフする機会があ …
-
-
仕事納め
今日仕事納めです。お昼は、社員全員で新橋の鰻の名店「本丸」で鰻弁当を20個注文。 …
-
-
所得税確定申告(転居に伴う手続き改正)
個人の住所を変更した場合ですが、2023年1月以降は異動届を提出せず、所得税の確 …
-
-
税務署へのタレコミ
あまり気分の良い話しではないですが、 国税庁では、課税漏れに関する“タレコミ情 …
-
-
大型の税務調査が行われやすい時期
お盆明けの最初の火曜日が圧倒的です。 ひとむかし前は、お盆明けの月曜だったのです …
-
-
二世帯住宅 小規模宅地の評価減の特例で新たな見解
先週の水曜勉強会でも取り上げていたのですが、小規模宅地の評価減の二世帯住宅への適 …
-
-
株主への配当支払時の利益準備金の繰り入れ
法人が株主に配当金を支払う場合には、資本金の1/4 に達するまで、配当金の1/1 …
-
-
美容業の倒産廃業が2019年急増
東京商工リサーチによる調査によると、美容業の倒産が、これまでの過去最多は2011 …
- PREV
- 人材ドラフトの評判?
- NEXT
- 国外関連者への寄付、移転価格税制との関係
