親族に対する役員報酬の注意(過大役員報酬)(水曜勉強会)
投稿日:
今日の勉強会では、過大役員報酬について解説してもらいました。
同族会社では、代表者の家族を役員にして役員報酬を支払い節税しようとしているケースが良く見受けられます。ただ、役員であれば役員報酬を支給できる訳ではないということには注意が必要です。
法人税法には、役員報酬のうち不相当に高額な部分の金額は損金算入できないことにう規定があります。不相当に高額かどうかは、その役員の職務内容、法人の収益状況、使用人に対する給与の支給状況などを総合的に勘案して判断することになっています。
会社の業務にも経営にも係わっていないのに、役員報酬を支払ってませんでしょうか?税務調査では、勤務実態や議事の内容について本人に質問する可能性もありますし、社員や取引先に質問が行われる可能性があります。
平成2年4月6日に、国税不服審判所は、未成年で就学中の取締役3名(13歳、15歳、16歳)に対する役員報酬(月額20万、10万円、10万円)は過大であると裁決してます。
「会社法上適法に選任されたから、当然役員だろ!」という納税者側の主張ですが、国税不服審判所は、2つの理由を根拠に、その主張を退けました。
一点目は、役員は皆就学中で、取締役会に出席して意見を述べる状況にはなかった(就学中=この会社の役員は無理と結論)。ここは、恐らく税務署は子供たちに実際に質問していると思います。
二点目は、役員報酬は、3人の子供名義の通帳に振り込まれたものの、その通帳は、代表取締役である父が実質的に支払管理している。3人の子どもは、その役員報酬を自由に使うことができない。

関連記事
-
-
非常勤役員への役員報酬 幾らが妥当?
ブログでもたびたび取り上げておりますが、税法には「過大役員報酬」という規定があり …
-
-
米国LPSの法人認定について(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は山本会計士。米国のリミテッドパートナーシップが、日本で法人認 …
-
-
Cees宅にお邪魔しました
オランダ人弁護士のCeesが、イタリアに保有する別荘に4家族でお邪魔してきました …
-
-
最近の傾向
先週、今週と、アルテスタで新入社員をお迎えしました。お二人ともバイリンガルで、と …
-
-
タックスヘイブン対策税制(新聞報道を解説)
昨年末ですが、サンリオが、タックスヘイブン対策税制により、追徴課税を受けました。 …
-
-
海外に出向している従業員の給与の一部親会社負担 その⑤
税務通信(3530号/ 2018年11月0日)で紹介された事例です。”格差補填金 …
-
-
がけ地 とは
相続税の申告の際して、土地を評価うるさい、その土地にがけ地等で通常の用途に供する …
-
-
壊れそうな新築ビル
バンコクのサトーンエリア。。何か倒れそうですが、ぴかぴかの新築ビルです。 バンコ …
