アルテスタ税理士法人

アルテスタ税理士法人は、INAAグループの日本代表事務所です。

国内法人税務、相続税務から、外国法人の日本進出まサポートまで総合的にサポート

*

移転価格税制の調査動向②

投稿日: 

前回の http://www.altesta.com/info/2020/06/17/2632/ に引き続き、移転価格税制の対策をもう少し詳しく解説します。

移転価格税制の実務においては、海外に子会社を設置し、その海外子会社との取引を行う日本法人に対して、その海外子会社の営業利益率と、同業他社の営業利益率を比較し、海外子会社の営業利益率が高い場合には、その差分に相当する金額を日本から海外に所得が移転したものとして移転価格課税を行うことが一般的です。これを、「取引単位営業利益法(TNMM )」による課税方法と呼んでます。

TNMMは、日本親会社と海外子会社の機能とリスクに着目して、海外子会社の適正な営業利益率を算定する方法です。例えば海外子会社が、日本親会社から製品を輸入して、その製品を現地で再販売している場合で考えると:

■日本親会社の機能リスク→ 研究開発、製造、マーケティング等とそれに伴うリスク

■海外子会社の機能リスク→ 卸売販売とそれに伴うリスク

となります。海外子会社の利益水準が、その海外子会社と、機能リスクが類似する同業他社(=比較対象企業)の利益水準と同程度であれば、日本から海外子会社への販売価格は独立企業間価格であったとされます。

この利益水準については具体的な数値が法令等で規定されていません。従い、対象となる取引ごとに、機能リスクが類似する比較対象企業を選定(ベンチマーク分析)して求めていきます。

ベンチマークとなる比較対象企業の選定には、実務上は市販のデータベースを使用していきますが、使用料が高額であるというデメリットがあります。

 - ブログ

  関連記事

会社設立後の経理・税務調査
メッシに懲役1年10月を求刑 (新聞報道を解説)

結構大きな事件になってしまいましたね。 ポイントは、全世界的にその国に住んでいる …

富山GRNサンダーバーズ 新監督に元巨人 二岡氏就任 →二岡さん頑張れ!

ジャイアンツの二岡打撃コーチですが、ジャイアンツを退団し、BCリーグの富山GRN …

インボイス制度導入による影響

2023年10月1日からのインボイス制度導入により金額的に最も影響を受けるのは、 …

実効税率

平成27年4月1日以降に開始する事業年度から法人税率が下がりました。これに伴い、 …

外国人の税務
日本の法人の数は?

国税庁は平成28年3月25日,平成26年度分の法人企業の実態を公表しました。 平 …

外国株式を譲渡して損失が生じた場合

2016年1月1日以後、株式を譲渡した場合の所得計算については、「上場株式等に係 …

役員への経済的利益も、定時総会で変更しなければ税務上損金にならないのか?

役員に対する給与の改定時期は、原則年1回、3か月以内の通常改定で、改定後は次の1 …

海外ネットワーク
外国法人による日本企業株の譲渡、計66億円申告漏れ指摘②~タックスヘイブン課税~(新聞報道を解説)

昨日のブログで、BVI法人が日本法人N株を購入後、すぐにこの株式を他の法人に転売 …

PAGE TOP