アルテスタ税理士法人

アルテスタ税理士法人は、INAAグループの日本代表事務所です。

国内法人税務、相続税務から、外国法人の日本進出まサポートまで総合的にサポート

*

個人への外注費や業務委託費は給与に該当?それとも報酬?

投稿日: 

個人コンサルタントに支払った報酬を「給与」として取り扱い源泉徴収するのか、「報酬」として源泉徴収しないのかの判断は結構微妙ですよね。従来は、労働の対価に該当すれば給与(S34東京地裁)だったり、勤労者たる地位に基づいて支払いを受ければ給与(=地位アプローチ/S43東京地裁)、と判断されてきましたが、働き方の多様化に伴いこのようなアプローチのみでは判断できなくなってきました。

近年の裁判事例では、2段階により判断を行っていると考えられます。まずは、従属性要件が満たされていれば給与、従属性要件が満たされていない場合であっても、独立性要件が満たされている場合には給与、、、といった具合です。

 

従属性要件とは、①雇用契約等が存在しているか、②使用者の指揮命令を受けているか、③空間的、時間的な拘束を受けているか、④継続的か否か、を要件とするものです(昭和56年最高裁等)。

働き方に重点を置いた基準で、時間や場所を継続的に指定されている場合は給与といった感じですね。

 

独立性要件とは、文字通り使用者から独立しているか否かという観点で判断する要件です。①その活動を行うに際してのリスク負担や、費用負担を自己が負っているか否か、②その業務を、営利性/有償性を有し、反復継続して遂行する意思があるか否か、③経験や社会的地位があるか否かを要件とします。(平成元年5月神戸地裁等)

報酬のもらい方に重点を置いたとも考えることができます。使用者から独立して業務が営まれており、その業務の遂行上受け取っているのであれば、報酬といった感じです。

 - ブログ

  関連記事

国外送金等調書

日本から海外に送金を行う場合に、送金額100万円超の送金にかんしては、全て金融機 …

母校の甲子園出場

母校の早稲田実業が甲子園に出場したので、応援に行ってきました。結果は早実6-0今 …

中小の賃上げ、減税拡充 財務相が表明へ(新聞報道を解説)

”所得拡大促進税制”という制度があるのはご存知でしょうか? 給与等の支給総額が、 …

移転価格税制に備えた書類整備

グループ売上が1000億円以上であると、下記①-③の”提出義務”があります。日本 …

Cees宅にお邪魔しました

オランダ人弁護士のCeesが、イタリアに保有する別荘に4家族でお邪魔してきました …

no image
倒産件数は減少も、小規模事業者の数も減少

中小企業庁は4月22日,2016年版の中小企業白書、小規模白書を公表しました。小 …

インボイス制度 8%軽減税率の取引がない場合の記載方法

2023年10月1日から施行されるインボイス制度 ほぼ全ての法人が適格事業者とな …

所得税確定申告(転居に伴う手続き改正)

個人の住所を変更した場合ですが、2023年1月以降は異動届を提出せず、所得税の確 …

PAGE TOP