外国法人が日本支店を設置した場合の留意点
投稿日:
外国法人が日本支店を設置した場合の注意点です。
日本支店は、外国法人本店の恒久的施設(PE)になります。外国法人本店で、日本のお客様に対する売上はあがってませんか?日本支店に帰属する売上と認定されないように注意してください。
2 支店登記した場合の決算期?
外国法人の本店決算期と同じです。日本支店独自の決算期はありません。
3 外国法人の本店でかかった費用を支店で負担することはできますか?
外国本店で発生した販売管理費などを日本支店で負担させる場合には、負担すべき費用の配賦方法について法人税法施行令で定めがあります。
4 外国法人日本支店の資本金は?
日本支店はあくまでも支店であって外国法人の一部ですから、資本金はありません。しかし、税法上の各種規定の適用を受けるうえでの判定基準に資本金がベースとなることがありますので、その際には、本店の資本金を円換算して計算します。(換算レート:決算時TTM)
ただし、寄付金及び交際費の損金不算入額の計算では資本金額等を本店と支店とで資産按分した金額を使います。地方税均等割の判定基準には外国法人の本店の資本金額等を用いることになるので、日本支店の規模が少規模であっても本店の資本金が多額であればそれなりの負担を強いられることになるので注意です。外形標準課税に関しても同様です。
5 国内源泉所得のない外国法人の日本支店の納税義務
日本での納税義務はありませんが、それでも申告書を提出することで、仮に当該外国法人の日本支店に国内源泉所得が発生した場合には無申告加算税ではなく過少申告加算税の取り扱いを受けることができますので、実務的には申告することが多いです。
6.設立時の外国法人の消費税の納税義務
支店設置時の消費税の納税義務は、2事業年度前の課税売上高で判定します。課税業者を選択しないかぎり、支店登記後の最初の一事業年度は免税事業者となることが多いです。
7.外国法人日本支店の国税の所轄
外国法人の日本支店はその規模に関係なく税務署ではなく、国税局の管轄となります。
関連記事
-
-
ミャンマーに行ってきました
お客様との打ち合わせがあり、初めてミャンマーにいきました。 ミャンマーは、201 …
-
-
個人開業医の所得計算の特権
社会保険診療報酬が5000万円で、且つ自由診療報酬等を含めた医院/病院の医業収益 …
-
-
ヤフー側の敗訴確定 最高裁「税逃れのための再編乱用」
結局、ヤフ敗訴が確定しました。ヤフーによるIDCフロンティアの吸収合併は、”税務 …
-
-
シャチハタ印は何故NG?
個人の申告書類への押印は、”シャチハタ印”はおすすめしてません。契約書への押印に …
-
-
INAAアジア会議 @チェンナイにて
先週ですが、アルテスタが日本代表事務所として所属するINAAグループのアジア会議 …
-
-
有償ストックオプションとは(2/2)
ストックオプションの税制適格要件を満たすことができないオーナー株主が、権利行使時 …
-
-
10年間限定の事業承継税制特例制度(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は山本さん 事業承継税制と、今年から改正された、10年間限定の …
-
-
国外関連者(取引依存による認定)
国外関連者とは、親子会社や兄弟会社等、直接間接に”50%以上”の資本関係がある外 …
- PREV
- 繰越欠損金の控除の制限の特例(水曜勉強会)
- NEXT
- 上場株式の譲渡損失の繰越を忘れた場合