退職金の収入すべき時期 (水曜勉強会)
投稿日:
今日の講師は山本さんです。

退職手当金の収入時期に関する裁判事例を解説してもらいました。
– 東京都の公立中学校の元教諭A
– 平成16年にAは公立中学から免職処分を受け、同時に退職金受領
– Aは免職を不服とし、その退職金受領を拒否し、公立中学校に返金をするも公立中学校が受領を拒否
– Aは同退職金を供託し、免職が不当との訴訟を提起
– 平成24年に免職が適当との最高裁判決が下され、供託した退職金を受領
⇒この場合、退職所得は、平成16年に申告すべきか? 平成24年に申告すべきか? との裁判が別途行われました。退職金を支払った、とする側の公立中学校と、退職金をもらった、とする側のAの時期が異なるので、どちらの年度で申告するのか、というのは難しい問題ですね。
税法上では、退職所得の収入確定日は、”原則として”、”その支給の起因となった退職の日”となっており、退職金の入金日ではありません。従い、双方の認識が異なる本件においては、最高裁で確定した退職日、つまり平成16年を収入確定日とするように、判断が下される結果となりました。
関連記事
-
-
特別取締役とは?
2006年5月から施行された会社法では、「特別取締役」による取締役会の決議という …
-
-
東京事務所移転
今週から、東京事務所が移転しました。引越しは結構大変でしたが、無事執務を開始する …
-
-
ここ数年でのサラリーマンへの増税
サラリーマンの可処分所得(税引後の手取)は、この5年間で約5%、これから2018 …
-
-
主要税の納税を当面猶予へ コロナ対策で政府・与党方針
政府・与党は、新型コロナウイルスに対応した追加経済対策で、中小企業の資金繰りを支 …
-
-
労働力人口の推移
みずほ総合研究所のデータを参考にさせてもらいましたが、やはり今後も、10年間で1 …
-
-
有償ストックオプションとは(2/2)
ストックオプションの税制適格要件を満たすことができないオーナー株主が、権利行使時 …
-
-
組織再編税制 行為計算否認に関する最高裁判決(水曜勉強会)
今日の講師は岩里さんです。Yahoo事件の判決について解説してくれました。税務上 …
-
-
シンガポール出張 マリーナ・ベイ地区へのテロ攻撃?
7月5日にシンガポールに滞在してきました。お客様の事務所からの眺めです。素晴らし …
- PREV
- 未成年者の申告書への署名押印
- NEXT
- パナマ文書で判明、31億円申告漏れ 国税当局が調査