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メガ銀、リストラの嵐「1.9万人では足りない」 (新聞報道を解説)

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メガバンクのリストラは衝撃ですね。フィンテックの台頭で、窓口業務担当の従業員が必要なるようには思います。国内ATM、送金手数料も、システム投資や人件費で多額のコストがかかり、それほど採算があるビジネスでもない、、と知人からも聞きました。窓口業務やATM業務を減らし、人件費負担やシステムコストを減らし利益体質にしていくことが狙いなのでしょうか?
以下 2017/12/5 2:00 日経電子版

「リストラ?」。業界最大手、三菱UFJフィナンシャル・グループ社長の平野信行(66)と9月に面談した大手上場企業首脳は、3メガバンクで最も財務に余裕があるはずの「王者」の意外な一言に胸騒ぎがした。

「9500人相当の労働量の削減を実現したい。銀行だけとると、国内スタッフの30%になる」。面談からほどない9月19日、東京駅前の丸ビル。平野は講演会の最後に、決して小さくない数字をさらりと持ち出した。オープンな場で数値目標ともいえる計画を打ち出したのは初めて。「このことが頭にあったのか」。企業首脳は合点がいった。

突然のリストラ旋風の震源は日銀のマイナス金利発動だ。グループ中核の銀行部門の本業のもうけ(実質業務純益)が急減。民間企業が軒並み最高益というこの時期に、三菱UFJは前年同期比マイナス13%だ。みずほフィナンシャルグループは同41%、特殊要因とはいえ、営業に強い三井住友も同40%という構造不況を体現するかのような減益幅となった。

折しも金融とITを融合したフィンテック風が強まって金融ビジネスの地平が広がる一方、融資から決済まで取りそろえる商業銀行の収益モデルは将来性があやぶまれる。「リストラ祭り」(大手銀関係者)の号砲を鳴らしたのが、もっとも安泰とされる三菱UFJだったことが険しい環境の象徴だ。

「配置転換ではなく、実数でこの数を減らしていきたい」。11月13日、東京・日本橋の日銀本店。中間決算の記者会見に臨んだみずほ社長の佐藤康博(65)は「2026年度末までに1.9万人を減らす」と表明。表情からは、ライバル三菱UFJに負けたくないとの思いがうかがえた。

この発言の含意は3つだ。まず三菱UFJが示した「23年度」よりも期間が長い点。2つ目はあえて三菱UFJの2倍の目標を打ち出したこと。そして人数が曖昧な業務量を採用せず実数にこだわった点だ。3メガでつねに株価が最も低いみずほは、厳しい株主の視線を意識し一歩も二歩も先を走らざるを得ない台所事情がある。

もっとも今回の構造改革案に株価は大きく反応せずじまい。株主には「物足りない」と映った可能性もある。みずほの株価は発表の翌14日終値が14営業日ぶりに200円を割り、今もさえない。

ライバル行の目にも状況はシリアスに映る。「厳しい決算に驚いた」。みずほの中間決算を見たライバル行の首脳は一時的に計上された利益額の大きさに目を見張った。

純利益3166億円のうち3分の2は一回限りの益出しに依存したもので、多くは持ち合い株の売却益などだ。他行も似たり寄ったりだが、利益に占めるかさ上げ分の割合は三菱UFJの3分の1、三井住友フィナンシャルグループの5分の1と比べ突出して高い。

期限が来れば融資は低い金利に置き換わり、マイナス金利の国債を買うケースも出てくる。固定費を削らなければ、経営に黄信号がともりかねないところまできている。

監督する側の金融庁は大手行の危機意識がまだホンモノでないとみる。「単なる自然減だろ?」。金融庁幹部はみずほの説明を受けた後、説明しに来た幹部に「1.9万人では足りないんじゃない?」と嫌みを言った。記者会見で希望退職の選択肢はあるのかとの質問に「ない」と明言した社長の佐藤。三菱UFJも希望退職は念頭になく、4000人分の業務量を減らす三井住友も同様だ。

バブル期に大量採用した世代の退職を待つ一方で新卒の大量採用を抑えれば達成は難しくない。そうではなくあらゆるサービスを用意するフルバンキングの看板を下ろしてスリム化に踏み込まないと、字句通りのリストラクチャリング(事業の再構築)には値しない。金融庁幹部の本音だ。

「健全なる危機感」。みずほ銀行頭取の藤原弘治(56)は10月開いた部店長会議でこう表現した。不良債権処理で生死の際をさまよっていた1990年代後半~2000年代前半。崖っぷちの時代と異なり今は自己資本も潤沢で突然死の危険は小さい。「健全」のよりどころではあるが、まだまだぬるま湯といえなくもない。(敬称略)

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