海外に出向している従業員の給与の一部親会社負担 その①(水曜勉強会)
投稿日:
今日の勉強会の講師は中川さん。海外の子会社に出向する従業員の給与の一部を、日本の親会社が負担する場合の、日本側での課税関係を説明してもらいまいした。
留守宅手当
出向者は海外で生活しますが、その家族は日本に居住しており、二重生活に係る費用が発生するため、日本にある留守宅に係る費用の補填として留守宅手当を支給した場合
⇒二重生活に係る費用の補填である留守宅手当は、出向元法人の損金に算入
較差補填金が損金の額に算入される理由として、『法人税基本通達逐条解説(八訂版)』(小原一博編著789頁、税務研究会出版局)は次のとおり説明しています。
「…出向元法人と出向者との間において雇用契約が維持されている以上、出向者としてはその出向後においても従来どおりの労働条件を保証するよう出向元法人に対して要求する権利が保留されているということができるから、出向先法人が自己の給与ベース等に基づいて出向者に対する給与相当額を計算し、これを出向元法人に対して負担金等として支出し、又は出向者に直接支給する場合には、必然的に出向元法人においてその給与の較差部分に相当する金額を負担しなければならないことになる。
そして、この場合の出向元法人における給与の較差部分の負担は、出向元法人と出向者との間の雇用契約に基づくものであって、単なる贈与的性格のものではない。すなわち、その出向者の労務が出向先法人に提供されていても、その給与の較差部分の負担を当然にその出向先法人に対して強制できる性質のものではなく、出向先法人においてこれを負担し得ない事情があれば,出向元法人においてこれを支給しなければならないという性質のものである。」
関連記事
-
-
過大役員報酬(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は榊原さん。非常に業績の良い中古車輸出入業社が支払った役員報酬 …
-
-
申告期限の個別延長が却下された!?
ある個人の税理士が、2019年分の確定申告書を最近提出しました。本来は2020年 …
-
-
20ヵ国でのWeb会議
ZOOMで20ヵ国ほどのアジア/アフリカ/オーストラリア地域の会計事務所があつま …
-
-
更正の請求の期限 延長されてます
平成23年12月2日以後に申告期限が到来する国税については、更正の請求ができる期 …
-
-
非公式ジャイアンツニュース 高橋監督辞任に想う
仕事とは全く関係ないですが。。 祝原監督就任となりましたが、高橋監督が退任したこ …
-
-
租税回避とは
Yahooの事件をきっかけに、また良く目にするキーワードです。 下記新聞の記事で …
-
-
著作権の使用料に対する源泉所得税(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は岩里さんです。過去の税務調査事例について紹介してもらいました …
-
-
名義株認定 税務署の判断を国税不服審判所が却下!(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は税理士の中川さん。税務当局が平成29年1月に行った名義株認定 …