辻調グループ 9億円貸付利息計上漏れ (新聞報道を解説)
投稿日:
法人が、グループ会社に金銭を貸し付けた場合は、利息を徴収しなければならないことになってます。利息を徴収しなかった場合には、利息を徴収したものと認定され、利息収入に対する課税が行われてます。本件報道によると、その認定利息が約1700万円だったようです。
このルールは、法人が代表者等の個人に対して貸し付けた場合も適用されるため注意が必要です。認定利息を計算する際の利率はというと:
①その法人が他から資金を借り入れている場合にはその調達金利
②他から資金を借り入れていない場合には、利子税の割合の特例に規定する特例基準割合(現状 1.9%)
となります(所得税基本通達36-49を参酌)。
以下 毎日新聞 10月16日
辻調理師専門学校などを展開する「辻調グループ」(本部・大阪市)が大阪国税局の税務調査を受け、2014年3月期までの4年間で約9億円の所得の申告漏れを指摘されたことがわかった。うち約1700万円は仮装・隠蔽(いんぺい)を伴う所得隠しと認定された。地方税や重加算税を含めた追徴税額は約4億3千万円で、すでに全額納付したという。
辻調グループや関係者によると、申告漏れのうち約8億9千万円は、生徒の募集事業などを担う会社「辻料理教育研究所」(大阪市)で生じた。研究所は11年3月、グループ代表の辻芳樹氏から、同氏が経営する系列2校の事業を買い取る形で譲り受けたが、その際の費用を複数年にわたり経費に分割計上していなかった。過去に引き受けた生徒募集事業でも経理上のミスがあり、所得が過少に申告されていたという。
また、所得隠しとされたのは、研究所が米国の子会社を通じて融資していた先から入ってきた利子と、経営する学校の学園祭で得た模擬店の利益。これらは別の口座にプールするなどしており、重加算税の対象になったとみられる。
辻調グループは1960年に大阪・阿倍野で調理師学校が設立されたのが発祥。現在は大阪、東京、フランスで7校を運営し、約3200人の生徒が学ぶ。今回の税務調査について、辻調グループは「見解の相違はあったが指摘に従い、納税した」としている。(釆沢嘉高)
関連記事
-
-
経営革新等支援機関の認可
アルテスタ税理士法人ですが、2016年11月17日付で、東京都と千葉県において経 …
-
-
消費税の輸出免税(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は田村さんと茂木さん 消費税の輸出免税や印紙税法の実務上の取り …
-
-
修繕費と資本的支出(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は岩里さん。税務調査で争点となることが多いい、修繕費と資本的支 …
-
-
国税のクレジットカード払い
今回の税制改正で法律が改正されました。 平成29年から、税金をクレジットカードで …
-
-
Board Meeting INAA @モントリオール
モントリオールでINAAのBoard Meeting が行われてます。アルテスタ …
-
-
税制改正大綱発表されました
下記が主な改正事項なんですが、ただ、一番大事な抜本的な改正案は見送られました。 …
-
-
タイ子会社設立時の注意(株主規制への対応)
タイは2014年5月に軍事クーデターが起きるなど政情不安定ですが、日本企業は事業 …
-
-
確定申告書の提出期限が4月16日に延長されます!
国税庁は27日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2019年分の所得税と贈 …
- PREV
- プロゴルファーが獲得する賞金
- NEXT
- メッシに懲役1年10月を求刑 (新聞報道を解説)

