過大役員報酬(水曜勉強会)
投稿日:
今日の勉強会の講師は榊原さん。非常に業績の良い中古車輸出入業社が支払った役員報酬(5年間で21億円)のうち、18億円は不相当に高額だと認定された東京地裁の判決(2020年1月)について、解説してもらいました。

日本の税法には、同業他社と比べて、不相当に高額な役員報酬を支払っている場合には、その高額な部分の費用計上を否認する”過大役員給与の損金不算入”という規定があります。個人的には全く理解できない規定なのですが、この規定が廃止される気配は全くありませんので、対策はたてなけれななりません。
東京地裁が、中古車業を営む会社X社が5年間で支払った21億円の役員報酬のうち、18億円を”不相当に高額”と認定した根拠は下記になります。
①X社の役員の業務範囲が、同業他社の役員が一般的に行う業務の範囲内であること。
②X社の業績や使用人給与の支給額が、横ばい、又は緩やかな減少傾向にある中で、X社の役員報酬が、これに逆行する形で急増していること。
X社の役員の職務内容が一般的なものであったり、X社の業績に対してX社の役員が果たした職責等も考慮して、役員報酬の額の高さや、増加率が著しく不自然だと認定される結果となりました。この辺も考慮して、役員報酬の額を設定する必要があります。
関連記事
-
-
自己株式を買い取る際に資本金等の額がマイナスだった場合のみなし配当の計算
自己株式を買い取る際ですが、買い取りに要した金額のうち、”資本金等の額に対応する …
-
-
外国企業のクラウドサービスを利用したら、利用する側が消費税を払う??
平成27年10月1日より、外国法人に対して支払うクラウドサービスや、広告配信料、 …
-
-
期限切れ欠損金 法人税法と基本通達、正しいのはどっち?
会社を清算する際、超過債務につき債務免除益を計上することがあり、その時点で青色欠 …
-
-
1099-INT Treasury Note
外国の1099を見るときに、1099-INTの区分も注意して下さい。外国の銀行の …
-
-
シンガポールでのCOVID-19制限解除の動向
シンガポールですが、6月2日からCOVID-19対策の制限、通称”サ …
-
-
PE認定 (新聞報道を解説)
昨日の勉強会で、PE認定に関する判決がトピックになりました。米国居住者が、米国で …
-
-
未払賞与はこうやって調査される
事業年度末に従業員賞与を未払計上し、1ヵ月以内に支給する、、という特例(法人税法 …
-
-
(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は中川さん。収益の認識基準に関する税制改正その他の税制改正につ …
