子会社からの配当金に対する源泉徴収の廃止(2023年10月1日以後)(水曜勉強会)
投稿日:
これまで子会社から配当金を受領する際に源泉所得税が徴収されてましたが、2023年10月1日以降この源泉徴収義務が廃止されます。この制度の対象となる子会社は①直接間接に100%保有する完全子法人、②直接3分の1超を保有する子会社となります。

この改正には会計検査院(税務署の作業を検査する機関)からの下記の指摘が影響してます。
配当を受領する親会社側ではこの配当金に対して課税は行われません。にもかかわらず、この配当金から源泉徴収(20.42%)されてしまっているため、親会社の所得の状況によってはこの源泉徴収された所得税の還付を請求します。会計検査院の調査では、子会社から配当を受領する親会社の半数以上が源泉所得税の還付を請求しており、この還付により国から利息(=還付加算金)も受領していることが判明しました。今回は、この還付加算金の削減を狙っているそうです。
関連記事
-
-
非常勤役員への役員報酬 幾らが妥当?
ブログでもたびたび取り上げておりますが、税法には「過大役員報酬」という規定があり …
-
-
新型コロナ感染対策 経済的自粛の影響
警察庁によると、2020年8月、全国で自殺した人は合わせて1849人で、去年の同 …
-
-
主要税の納税を当面猶予へ コロナ対策で政府・与党方針
政府・与党は、新型コロナウイルスに対応した追加経済対策で、中小企業の資金繰りを支 …
-
-
国外関連者への寄付、移転価格税制との関係
外国の親会社に対して、資産を低額で譲渡した場合には移転価格税制により課税、資産を …
-
-
役員退職金を利用した節税スキームの落とし穴 (水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は、山本会計士です。若くして、既に銀行勤務経験や海外での会計事 …
-
-
香港出張 ”100万ドルの夜景” の由来
今日まで、香港での会社を設立されるお客様のサポートをしてました。 香港といえば1 …
-
-
忘年会
皆さん今年もお疲れ様でした!1年お世話になりました!!
-
-
GACKTさんへの査察調査に対する誤解(新聞報道を解説)
2012年頃にGACKTさんに、東京国税局査察部 “通称 マルサ”に …
- PREV
- 国外財産に対する相続税贈与税の課税
- NEXT
- ゴルフ会員権購入時の税務会計処理
